服装第一主義

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ハピネスチャージプリキュア総括



ついに終わってしまいました、ハピネスチャージプリキュア。

毎週笑って、毎週燃えて、シャッフル再生でOPが流れてきて一緒に口ずさんでると
「おれ、こんなにまっすぐ自分と向き合えてるかな。こんなに真剣でがむしゃらに毎日を生きてるかな」 とたまに涙する。そんなプリキュアでした。

最終回もいつも通り最高だったので、そのままの勢いでハピネスチャージの最高さを伝える日記を書こうと思ったのですが、 いざ一年を振り返ってみると「あれ?なんかここ惜しいなぁ」と感じてしまう部分が結構でてきたのでそれも含めていろいろまとめます。









・ハピネスチャージプリキュアの惜しい点

なぜ愛乃めぐみ/キュアラブリーが主人公だったのか

全世界におよそ100以上いるであろうプリキュアの中で、何故ハピネスチャージプリキュアが最終決戦を任され、 その中でも一番のペーペーであるキュアラブリーが皆からの光を受け取りフォーエバーラブリーまでになれたのはなぜか。
めぐみがピンク色だからとかそういう元も子もないことは置いておいて、コレと言える理由が見つからないのだ。

少なくとも23話の時点で劇中一番人気のプリキュアはアメリカのバンバーガールズだったわけだし、あの荒野のサムライ娘風の子がフォーエバーになっていてもおかしくなかった。

ハピネスチャージがあそこまで推されるチームになったのはまあ1番強かったからとかアクシアに認められたからとかブルー直属だからとかまあ考えられなくもないんだけど、 途中アローハ以外にもというか全世界のプリキュアに恩を売っておく描写が(ファントムを倒す前に)もっとあればこの点は解決できたのかなと思います。


箱庭感

身内に神がいる時点でスケール感どうこう言えるのかという疑問はあるけど、あれだけデカい世界観をアピールしておきながら結局こじんまりとしてしまった印象はぬぐえない。

幻影帝国による世界侵略は結局男女間の痴情のもつれが原因だったし、レッド対ブルーの宇宙戦争も結局ただの兄弟喧嘩にスケールダウンしてしまった。 こういう些細なことをいささかオーバーに取り扱って視聴者に問いかけるってのはプリキュアでもよくあるんだけど、ハピネスチャージでやってほしかったのはそれじゃない。

世界のプリキュアもあんまり出番なかったし、いろいろ伏線に使えそうなのを張っておいて結局手の届く範囲でおさめちゃうのを見ると「あーもったいないなー」って思っちゃいますよね。


積み重ね不足

積み重ね、つまり各ストーリー間の連携がうまくできてないという印象です。

ゆうゆうが何故あの歳であそこまで達観していて何故あそこまでご飯にこだわるのか謎に包まれ過ぎて後半クレイジーごはん娘と化していたし、 他の登場人物に関してもバックボーンの描写がかなり少ないので、 ヒメルダのプリキュアになる話だったり王国がまだ健在だったころの話だったりと、 そういうエピソードの積み重ねによってキャラクターを描いて欲しかった。

ただし誠司に限ってはバックグラウンド・心情・成長を丁寧に積み重ねていたので、そういう意味では誠司が主人公と言えるかもしれません。 というかそもそもそういう狙いだったのでしょうか?

その点、三幹部に関してはいいフォローの仕方でしたね。


プリキュアの主張の説得力

基本プリキュアさん達の主張に根拠はありません。
なぜなら基本的に敵が正論を吐き、それに対しプリキュアが愛だ夢だ友情だの詭弁で言い負かすという構図だからです。

けれどそこには不思議と説得力がある。 それはなぜか、それはキャラクター自身に説得力があるから。

プリキュアの強さとは何か
それは自分を信じることが出来る強さ。残酷なまでの正論・現実に対し夢を語れる力、説得力。

愛、夢、友情、そんなこと綺麗事だといくら言われようが、「だってプリキュアだから」「だって夢原のぞみだから」「だってキュアハートだから」 それだけの言葉で言い返せるような説得力を一年かけて築きあげていく作業、それがプリキュアなのです。

はたしてそれが愛乃めぐみ/キュアラブリーにできていたか。
そう聞かれたら僕は少し考えてしまいます。


裏テーマの扱い

プリキュアでは2クール目の終わり、話数でいうと21話〜25話辺りでストーリーの大きな転換点がありそこが最終話を除いて作中一番の盛り上がりとなり、 そしてそこで扱われたテーマはしばしば作品の根幹にかかわるものとなります。

たとえば「女の子だって暴れたい」がテーマだった初代でも、第二部の始まりでは 「本当は戦いたくない、けれども日常を取り戻すために戦う」ということが描かれ、 スマイルプリキュアでもそれまで一貫して楽しいことしか扱わなかったなかで22話では急に 「友達を助けるために命を懸けられるか」という決意が問われていました。

そしてそれは初代では「ゲッチュウ!らぶらぶぅ?!」の歌詞をはじめ、常に意識されていたテーマであり、 スマイルでも決意・決断を問われる場面が要所要所で訪れました。

ハピネスチャージでは2クール終わりに何があったかというと、単独ファントムに挑んだフォーチュンが敗北、プリンセスがすべてのプリカードをフォーチュンに託す、 それによって願いをかなえたフォーチュンがプリキュアの力を取り戻し、ハピネスチャージに加入という話がありました。 これだけ見ると「チーム・仲間・助け合い」を描いたのかと思うかもしれませんのでより詳しく説明します。、

この時点ではフォーチュンはプリンセスのことを一方的に憎んでいました。 その理由はプリンセスこそが世界が幻影帝国に侵略され、フォーチュンの姉が封印されてしまったすべての原因だと考えていたから。 そしてプリンセスも悪気が無かったとはいえアクシア(幻影帝国の幹部が封印されていた箱)を開けてしまったことに負い目を感じていました。

そしてプリカードとは集めると何でも願いをかなえるカード、そしてめぐみは「病気のお母さんを元気にしたい」、ひめは「封印された両親と奪われた王国を取り戻したい」という願いを持っていました。 そのカードをピンチのフォーチュンに託しともに戦う仲間になる、そう

すなわちハピネスチャージプリキュアでは「赦し」を描いたのである。 メインテーマ「愛」の裏で凄いもの書くなと思いました。

そして物語が進むにつれてファントム、クイーンミラージュ、レッド、三幹部とおおくの敵キャラが改心していったので、 「おお!やはり赦しが裏テーマだったのか」とおもったのですがよくよく振り返ってみるとあいつら全然謝ってないんですよ。

ファントム、ミラージュは「洗脳されてたっす、気が付いたら悪いことしてました」だし、 レッドは「弟に嫉妬してたみたいだな・・・(しみじみ)」だし、 三幹部は「これ以上はノーコメントですぞ」だし、そんなんで赦されちゃっていいのかよと。 いや別に土下座しろとか菓子折り持って来いっていうんじゃなくて、 たとえばミラージュさんだったら世界のプリキュアと戦ってる時とかファンファンに会った時とかになんか一言あってもいいんじゃないかなと思うわけですよ。 一応子供番組なんだしさ。


あともう一つ、2クール終わりのあのシーンはその当時まだあんまり仲良くないけどフォーチュンに対し、 「王国の復興・両親との再会」を後回しにしてでもフォーチュンに謝りたいというひめ、 そしてそんなひめの思いを汲んで自分の願いも共に託すめぐみというのが感動的なのに、 その後「お母さんの病気は薬を飲めばダイジョーブ。だから治さなくていいんだよ」と言ったきり触れられなかったり、 アバンタイトル・セリフなしで王国復活・両親と再会を終わらせちゃったら、相対的にそのシーンも軽くなっちゃうでしょうが。
そこは本当にしっかり描いてほしかった。ここだけマジの不満。




・ハピネスチャージプリキュアの最高だった点

バトルが最高過ぎた

ここまでいろいろ書いたけど人にハピネスチャージプリキュアどうだった?と訊かれたらこう答えるだろう、最高だったと。

では何が最高だったのか、それはもうひとえにバトルだ。
ラブプリブレスの何が出るか分からないワクワク感とイノセント以降使われなくなってしまったがフォームチェンジによるCG戦闘など新しく盛り込まれたギミック的な要素もさることながら、 そういう小手先のワザ抜きの真剣勝負、拳と拳のぶつかり合いが素晴らしいのだ。

バトルシーンがいかに素晴らしいかを文章で伝えるのはとても難しいので「とにかく見てくれ」としか言いようがないのが悔しいのだが、 比喩じゃなくドラゴンボールだし今までのプリキュアで「そこをもうちょっと」と思っていたようなシーンも結構過激に描いており、 女児向けバトルアニメの最高峰を目指したのだということが伝わってくる。

事実、最高峰となった。


ライブ感が最高過ぎた

さきほど、ラブプリブレスの何が出るか分からないワクワク感と書いたが、ハピネスチャージという作品自体がラブプリブレス的であると感じた。

つまり毎週何が出るか分からない、恋愛禁止やごはんのうた、ライジングソードにイノセントプリフィケーションなど我々の想像の裏をついてやろうというギミックが常に用意され、 そして常に予想を超えてきた。

だから毎話毎話が常にピークであり、楽しんで視聴が続けられたのだ。


映画が最高過ぎた

ここまでの話を総括すると「各エピソード・バトルは最高だけど1年ものとして考えると少しもったいない」ということになるが、 それならハピネスチャージ見るのどうしようかなと迷ってるお前、じゃあ映画見ろよ。

というくらいハピネスチャージの映画は凄かった。
まず第一にめぐみが文句なしに主人公してたし、敵が清々しいまでの悪で倒した後に変なモヤモヤが残らないのもいい。 そしてサブキャラクターの背景も丁寧に描かれていてラストでは泣けるし、さらにダメ押しで挿入歌が最高。
まず見るべし。





結論

「なんだかんだ不満はあったけど元をたどれば大体ブルーの所為。あと映画は最高」







あとがき
しかし、プリキュアをこういう目線で論ずるようになるとは俺も大人になっちまったなぁ・・・
そろそろ潮時かな・・・




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